残業がつらいとき、最初に切り分けたいこと
残業が続くと、「仕事だから仕方がない」「自分の進め方が遅いだけかもしれない」と考えやすくなります。しかし、個人の工夫だけでは変えにくい業務量や人員配置が原因になっていることもあります。
残業のつらさを、自分の能力不足だけで説明する必要はありません。 まずは一時的な繁忙なのか、長く続く働き方の問題なのかを分けて考えます。
残業時間だけでなく、生活への影響を見る
同じ残業時間でも、深夜まで続く、予定を立てられない、休日にも連絡が来るなど、生活への影響は異なります。時間数だけではなく、回復する時間や大切な人と過ごす時間が確保できているかも判断材料です。
漫画の主人公も、パートナーとの夕食を何度も断り、「仕事も、二人の時間も、このままなのか」と悩んでいました。問題は単に帰宅が遅いことではなく、自分で生活を選べない感覚が続いていたことです。
今の会社で改善できることと、外で確かめることを分ける
仕事の優先順位や担当を調整できれば、今の会社で残業が減る可能性があります。一方で、慢性的な人手不足や長時間労働が当たり前になっている場合は、社内だけで解決できないこともあります。
社外へ相談すると、今の経験を生かしながら残業を減らせる仕事があるか確認できます。 求人へ応募する前に、外の条件を知るだけでも構いません。
転職相談で整理できる4つのこと
転職相談は、退職を決めた人だけが求人を紹介してもらう場所ではありません。残業がつらいけれど転職すべきか分からない段階でも、今の状況と希望する働き方を整理できます。
1. 残業の何がつらいのか
終業時刻が遅い、急な依頼が多い、休日も仕事が気になる、残業代が適切か分からないなど、同じ「残業がつらい」でも悩みは異なります。具体的に話すことで、次の職場で変えたい条件が見えてきます。
主人公の場合は、残業時間だけでなく、パートナーとの予定を守れないことが大きな悩みでした。「平日の夕食を一緒に取れる」「予定外の残業が少ない」のように、生活の希望へ置き換えられます。
2. 今の仕事で身につけた経験
忙しい環境にいると、自分が対応してきた仕事を振り返る余裕がなくなります。担当業務、周囲との調整、問い合わせ対応、改善したことを話すと、別の会社でも生かせる経験を整理できます。
希望職種が決まっていなくても、担当者と一緒に経験と選択肢を整理できます。 主人公も、問い合わせ対応や顧客との調整経験を生かせる仕事があると相談の中で知りました。
3. 残業・給与・休日の優先順位
残業を減らしたいからといって、給与や仕事内容をすべて諦める必要はありません。現在の給与、許容できる残業時間、休日数、通勤、働く場所などを並べ、譲れない条件と調整できる条件に分けます。
条件を整理すると、「残業は月何時間まで」「給与は現在からどの範囲まで」「休日出勤は避けたい」のように求人を確認しやすくなります。すべてを満たす求人があると決めつけず、現実的な選択肢を担当者と確かめます。
4. 今の経験で選べる求人
求人票には「残業少なめ」と書かれていても、部署や繁忙期によって実態が異なる場合があります。相談相手へ希望を伝え、配属先の残業実績、繁忙期、休日対応、欠員状況など、求人票だけでは分かりにくい点を確認します。
ここで知るのは、転職すべきかという答えではなく選択肢です。今の会社に残る場合と外へ移る場合を比べ、応募するかはその後で決められます。
求人の「残業少なめ」で確認したい5項目
残業時間の平均だけを見ると、自分が配属される職場の実態を判断できないことがあります。気になる求人が見つかったら、次の内容を相談時に確認します。
- 配属予定部署の直近の残業実績
- 繁忙期と、その期間の残業時間
- 固定残業代に含まれる時間と超過分の扱い
- 休日や夜間の連絡・当番の有無
- 欠員状況と、入社後に担当する業務量
「残業月平均」だけでなく、予定を立てられる働き方かまで確認することが大切です。 面接で聞きにくい項目は、応募前に相談担当者へ確認を依頼できます。
転職相談は、転職を決める場所ではない
相談したら求人へ応募しなければならないと感じる人もいます。しかし、相談、求人紹介、応募、内定承諾、退職は、それぞれ別の判断です。
転職するか決めていなくても、転職相談は利用できます。 「残業を減らしたいが、給与や仕事内容も変わるのが不安」と、そのまま伝えて構いません。
相談から転職までの一般的な流れ
- 相談を申し込む
- 現在の残業と生活への影響を話す
- 経験と希望条件を整理する
- 必要に応じて求人の説明を受ける
- 興味がある求人だけ応募を検討する
求人を紹介されても、その場で応募を決める必要はありません。「今日は働き方の選択肢だけ知りたい」と最初に伝えると、相談の目的を共有しやすくなります。
相談前に用意できるもの
準備がなくても相談できますが、短いメモがあると現在の状況を説明しやすくなります。正確な資料を完成させるのではなく、思い出せる範囲で構いません。
- 最近の終業時刻と残業時間
- 残業が増える時期や原因
- 現在の仕事内容と担当期間
- 自分が続けてきた工夫
- 次の職場で変えたい条件
- 給与、休日、仕事内容への不安
会社の資料や顧客情報を私物端末へ持ち出さず、会社の規程と守秘義務を守って整理してください。具体的な会社名や顧客名を伏せても、仕事内容や困りごとは説明できます。
自分に合う相談相手を選ぶポイント
相談相手は、求人の多さだけで決める必要はありません。残業を減らしたい理由と、維持したい条件を丁寧に聞いてくれるかを確認します。
- 希望する業界や職種の相談実績がある
- 配属先の残業実績や働き方を確認してくれる
- 経験と希望条件の整理を支援してくれる
- 応募を急がせず、希望を聞いてくれる
- 個人情報の扱いと退会方法が明記されている
話してみて合わないと感じた場合は、担当変更を依頼したり、別の相談先を利用したりできます。相手に合わせて転職するのではなく、自分が納得して考えられる相手を選びます。
残業がつらいときのよくある不安
自分の仕事が遅いだけでも相談してよい?
相談して構いません。業務量、急な割り込み、待ち時間、担当範囲を話すことで、自分で改善できる部分と仕事の配分の問題を分けられます。
残業を減らすと、給与も大きく下がる?
必ず下がるとは限りませんが、業界、職種、経験、固定残業代の有無によって変わります。現在の給与内訳と希望額を伝え、どの程度の求人があるか確認します。
相談したら応募を断れない?
求人の説明を受けることと、応募することは別です。希望と違う場合は断り、応募を急がされた場合は「まだ検討段階です」と伝えて構いません。
求人票の残業時間は信用できる?
会社全体の平均だけでは、配属先や繁忙期の状況が分からない場合があります。算出期間、配属予定部署の実績、休日対応、固定残業代を確認してください。
会社に転職活動が知られない?
登録時に公開範囲や連絡方法を確認し、会社の端末やメールアドレスを使わないようにします。スカウト機能を使う場合は、勤務先企業をブロックできるかも確認してください。
辞めるか我慢するかを決める前に、転職相談をしてみる
残業がつらいとき、今すぐ辞めるか、そのまま我慢するかの二択にする必要はありません。今の経験で選べる働き方を知り、今の会社と比べてから判断できます。
今日のゴールは、転職を決めることではなく、転職相談を一つ申し込むことです。 「転職するかは未定ですが、残業を減らせる仕事があるか知りたい」と伝えるところから始められます。
転職を決めなくても、相談はできます。
今の経験を生かしながら、残業・給与・休日の希望を整理できる相談先を確認しましょう。
相談できるサービスを見る 相談や登録が、応募・退職の決定になるわけではありません。仕事の悩みが体調に出ている場合
眠れない、食べられない、動悸や息苦しさがある、休日も回復しない状態が続く場合は、転職活動より休息を優先してください。産業医、医療機関、厚生労働省「こころの耳」などへ相談できます。
自分を傷つける危険が迫っている場合は、一人にならず、119などの緊急窓口や身近な人へ連絡してください。
残業のルールと社外の相談先
法定労働時間は原則として1日8時間・週40時間以内です。時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間ですが、この範囲なら健康上安全という意味ではありません。
残業代が支払われない、勤怠を正しく記録できない、休憩や休日を取れない場合は、労働条件相談ほっとラインや労働基準監督署などへ相談できます。
参考資料・記事について
情報確認日:2026年7月30日
本記事は一般的な情報提供を目的とし、個別の法的判断・医療上の診断・治療を行うものではありません。





